
増木工業株式会社
【 経営課題 】
創業明治5年の弊社は薪や炭の商いから始め、木材生産販売にも乗り出しました。
戦前には酒、塩、タバコ等の専売品を扱っておりましたが、昭和40年代高度成長期の波に乗り木造建売分譲住宅部門を拡大、平成に入ったバブル期には店舗やマンションなどの鉄骨造・鉄筋コンクリート造の大型建築や保育園・老人ホーム等の官公庁物件も扱う総合建設業に拡大しました。
2007年世界金融危機により建設需要が激減した為、当時の若者や稼ぎ頭である年齢層が他業界へ流失し戻らなかったことは、現在の建設業労働人口激減の大きな原因であります。さらに2011年の東日本大震災による新卒採用の減少や、団塊世代の定年退職により人手不足は深刻化しました。特に「施工管理技士」が著しく不足した事は弊社も同様です。
「経営革新」という言葉が盛んだった2007~8年頃にセミナーを拝聴し、弊社で一番力を入れるべきは「採用」「教育」「研修」等人事に関する部門だと感じました。またその時の講師に50人以上の従業員がいる建設業は全体の2%しかないことを示す『50人の壁』というキーワードを教えてもらい、それならば経営革新・企業規模拡大に向けてまずは新卒中途入社にかかわらず採用を拡大し、50人の壁を超えようではないか!と考えました。
2007年に21名だった従業員は2010年に29名へと増え、2012年4月には目標だった従業員51名(うち女性20名)を達成しました。
しかし一方で、従業員が短期間に増えたことによる歪みで多種多様な不具合や不満が出はじめ、退職する社員が増えました。
例えば、出産・育児に伴いやむを得ず退職を希望する社員、育児休暇取得後に復職したものの仕事と家庭の両立で時間のやりくりに悩む社員や子どもの夏季休暇時等預け先がなく仕事を休まざるを得ない社員、病気で長期入院を余儀なくされた社員、自身の体調不良や高齢などの理由によりフルタイム勤務が難しくなった社員、家族の介護や看護をしなければならなくなった社員など、色々なバックグラウンドを持つ社員が増え、会社としてそれに対応する必要が生じてきたのです。
高卒で入社した社員の中には同級生が楽しく大学生活を送っている事を羨ましく思い、働くモチベーションを失いかけている者もいっました。
東日本大震災後の就職難の時代に採用した大学や専門学校卒の社員の中には、自分がやりたい仕事は社内の別の事業部の業務だったと悩んでいた社員もいました。
このような歪みや不満を抱えた社員に対して弊社は、深刻な人材不足の時代に縁あって入社した社員を定着させ、将来的に末永く活躍してもらうために、会社として出来得る範囲で問題を解決し働きやすい環境にすることが急務となり、後からの追いかけではあるが制度を整え社員に周知することが必要となりました。
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